近年、組織において IT の担う役割は著しく拡大されており、監視を自動化する必要がないと考える人はあまりいないでしょう。業務プロセスと機能の強化がより重要な課題となっており、ワークステーションとサーバーが常に稼働していることは課題というより前提となっています。そのような高い期待に応えるためには可能な限りの効率化が必要です。

IT 管理者は、電話システム、敷地内のセキュリティ、時間管理、ワークステーション、ソフトウェアのコンプライアンス、バックアップ、災害復旧など、実に様々なことを管理しなければなりません。これらに、Wi-Fi、接続されたデバイス、クラウド、インターネットを追加すると、今日の IT の機能はスターフリートの指令ブリッジに似てくるかもしれません。防御線の兵器やクリンゴンの戦士、テレポートのテクノロジーこそないものの、高機能なコマンド・チェアに座ってたいていのことをコントロールできます。

これは好ましい発展でしょうか?もちろん、そうでしょう。ただ、それは、潜在的な脅威に対して手動でリアルタイム分析できるような状況ではないことを意味します。自動化された監視が当然必要になってきます。2016年の Freeform Dynamics の報告によると、セキュリティと資金面での懸念や知識の欠如といった問題はあるものの、インテリジェント・システムは本格化に向かっています。

自動化された監視を実装する場合、何が起きているのかを正確に知らせる機能が欠かせません。状況にすばやく対応し、問題を事前に特定できるような情報を提供する必要があります。」と話すのは、IT システムを監視するためのハードウェア、ソフトウェア、人員配置ソリューションを提供している Sonar Technology のトム・フリーア氏です。

自動監視を実施するには

フリーア氏によれば、自動監視システムには次のような機能が必要です。

  1. ネットワークのイベントや問題に関する正確でタイムリーな情報を提供する
  2. 問題がどのような影響を及ぼす可能性があるか速やかに判断できるよう、効果的に伝える
  3. 問題を迅速に解決できるよう、全システムを可視化し、全システムへのアクセスを提供する

これらは、「エラーを起こしやすく、問題を見逃しやすい」傾向がある「手作業の監視からのシフト」を意味します。手作業による監視は、「タスクの完了を確認するのに、管理上のオーバーヘッドが大きくなります。」

フリーア氏も指摘していますが、自動化された監視の導入に問題がないわけではありません。慣れていない場合、警告や警告のパラメータをどう扱えばいいかとまどうこともあります。また、自動化を導入するのに必要な時間とリソースが足りないというのもよくある問題です。

自動化と人間の役割

自動化を実施しても、人間の診断が不要になったり、人間の仕事がなくなったりするようなことはありません。フリーア氏は次のように述べます。

「監視ソリューションはかなり高度化されていますが、問題があったときに対処するには人間が関与する必要があります。自動化された監視コンポーネントは大量のデータを生成するので、問題に対処しようとする管理サービスプロバイダには捌ききれない可能性があります。誰かが問題を調査し、どんな悪影響が起こり得るのか分析し、対処すべき部門に通知する必要があります。」

ネットワーク環境や自動化のレベルがどのようなものであっても、警告に対してどんなアクションを起こすべきかの最終判断は人間が行わなければなりません。給茶室でソリューションについて議論し、上司への不平をこぼし、少ない IT 予算への憤懣をぶつけたりしながらも、診断を下すのは人間です。サイロン(または類似のロボット代替品)が仕事を奪ってしまう可能性は低いでしょう。

基本的な管理機能だけを使っているネットワーク・ユーザーに任せることはできません。AI やロボティックス産業が発展しても、マシンが自律的なコントロールをし始めると考えるのは映画の見過ぎでしょう。

「警告を出すしきい値をどう設定するか、タスクをいつ実行するかを誰かが決断する必要があります。最低限、必要が生じたときに自動応答が実行され、完了したことを誰かが確認する必要があります。」とフリーア氏は話します。

自動化された監視は生産性を向上させるための鍵であり、適切な警告しきい値を設定して自動監視すれば効率化が図れます。節約できた時間は、業務プロセスの向上や目標達成を推進するための重要な仕事に使うことができます。これに対する代案は、システムログを手作業で見直すという人為的ミスが起こりやすい退屈な作業に時間を費やすことです。

どちらが理に適ったアプローチでしょうか?選択はあなた次第です。